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防波堤の案山子

Q.日記と手記を履き違えていませんか

A.そんな事より公園にカイリュー出たってよ!


海に行った。炎天下の砂浜は尋常じゃないくらい暑く、足の裏がくっつきそうになる。めちゃ痛い。なのでずっと平泳ぎしていた。おかけで背中が日に焼けてヒリヒリする。
海であまり泳いだことがなかったので、プールとは違う浮力に楽しくなる。平泳ぎに飽きたら仰向けになってしばらく漂流して、飽きたらまた平泳ぎに戻る。船が難破して海に投げ出された人が島に漂着するシーンをよく見るけど、そう難しいことじゃないのだと気付く。
顔だけ出して漂っていると、耳が水に浸かっているので海と自分の中からの音しか聞こえなくなる。深呼吸の音が大きい。このまま潮の流れに乗ってどこか遠くへ行きたくなる。けれどブイがあるのでそれ以上漂っていることはできない。
防波堤の上から向こう側へ飛び込めば邪魔をするものはない。近づいてみるとフナムシがうじゃうじゃ居たので諦めた。実物のフナムシを初めて見た。裸眼のぼんやりとした輪郭でも伝わってくる不快感におれは逃げ帰った。
日陰で休みながら、防波堤の上でちっとも動かないあの釣り人たちは、マネキンなのではないかと考えたりした。