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大人は大変

今月は自分の誕生月なので、会社の健康診断のようなものを受けた。運動能力に焦点を当てたもので、結果にペナルティがあるわけではないけど、意地になってしまうのが男の子のサガで、あやうく四肢が爆散しかけた。

 

全てのテストを終えると係りのお姉さんに「もっと運動をしましょう」とか「体が硬いですね」といった批評をいただく。昨年の結果と比較して見られるようになっており、衰えたと思っていても案外数値は変わっていなかった。せいぜい握力が2kg落ちたくらいだった。しかしこのペースでいくとあと20年でおれの握力は0になってしまう。たぶん液体になる。カレーを食べると黄色くなり、握力が無くなるかわりに長座体前屈の記録は伸び続けるだろう。いや手足の概念もなくなるから長座体前屈を正しく計測することもできなくなるのか。握力だけでなく他の数値も軒並み0になってしまうな。

 

役職も年齢も関係なく身体能力のみが評価される場において液状化したおれはどんなおじさんよりも下位の存在なので、係りのお姉さんに運動不足を優しく注意されることもなく、ゴミクズと罵られ唾を吐きかけてくる。唾はおれの表面で波紋をつくり、泡となって解け、やがておれの一部となるだろう。

 

大人って大変だなって思う