2016-01-01から1年間の記事一覧

来年のこと

来年のことを考えていた。 年末のことも考えていたけど、納めることが見当たらないので、年末の独特な空気感に騒ぐ世間の流れにうまく乗れずにいた。 自己研鑽に費やした一年であれば、この一年を振り返った時に湧き上がる感慨の一つや二つあったろう。一年…

ライフ

中途半端な時期に実家に帰り、一泊だけしてまた戻ってきた。車を乗り換えるためだ。 これまで乗っていた、自分にとって初めての車は、車検が通らない故障があるとかで、ちょうど父が安い車を見つけてくれたものだから、つい二つ返事で了承してしまった。 初…

クールランニング

たいていの家庭では一度くらい、冷えた味噌汁を飲む機会があるかと思う。朝寝坊をして食卓に行くと、冷えた朝ごはんが、ハエ避けや手頃なチラシなんかに覆われている。 おれの家では平日の朝はいつまでも起きないでいると強制的に叩き起こされるので冷えた朝…

サイボーグ戦士

気がつくと何日も日記を書いていない。日記を書かないのは日常にとくべつ思う事が無いからなのだけど、つまらないことだって書いていいのだ。 日記だから、今日食べたものや見た映画や天気のことだって書いていいに決まっているしそうと決めるのも書くのも自…

ささくれた火

先輩からマッチをもらった。根元をちぎって、固い擦過部とパッケージの蓋でマッチを挟み、引き抜くことで点火するタイプのものだ。要はガムの「Fits」みたいな感じ。 マッチを日常で使う場面はごく限られる。実家の仏壇のロウソクに火をつけるくらいだ。それ…

ダミー・バー・ヘッド

開け放した窓から空を見上げたら、蜘蛛の巣を見つけた。ふと手を伸ばすものの、何度やっても空を切る。 はて。どうやら空に巣を張っているようだ。戦闘機が引っかかっている。脱出したパイロットは、やはり蜘蛛の糸に絡め取られていて、むしゃむしゃと食べら…

自然体

クセがすごいらしい。字の話だ。会議で書記を任されたのでちょっと低めに架けられたホワイトボード相手にに四苦八苦していたら、クセがすごいと言われた。読めない字ではないとのことなので、会議はそのまま続行し、なんら不都合もなく終了した。 自分の字が…

スモークガラス

インフルエンザが流行りはじめているというので、使い捨てのマスクをしていた。けれど顎のあたりがとても痒くなって、すぐに外して捨ててしまった。 顎に生えた髭のせいだ。まだ柔らかい髭が固い紙製の生地にあたって、とても心地が悪い。ついでにうつ伏せで…

つれづれ2

会社の勧めで、トヨタの展示会へ行った。いかんせん車に興味が薄いせいで途中までモーターショーと勘違いしていたが、広い駐車場を会場としたわりとのんびりした雰囲気だった。 のんびりしすぎて、黒光りする新車の高級感と背広を着て動き回るディーラーの方…

タイムマシンは流線形

自転車は徒歩より速く、車は自転車より速い。それよりもっと速い乗り物はたくさんある。 速いスピードで移動するほど、土地どうしの距離の感覚が曖昧になる。自分の意識外でその移動が行われているなら、なおさら。 新幹線を使うとき、本州なら数時間で大体…

その舟に乗せてくれ

言葉の意味がわからない単語を見つけると、国語辞典的なページで検索してスクリーンショットに残す習慣がある。それらは古語だろうが医学用語だろうが、一緒くたにしてフォルダにまとめている。 そうすることで語彙が増えるかといえばそんなうまい話があるわ…

その黒

グリスガンという工具がある。トリガーを引くと電気の力でセットされたグリス容器が押し出され、ガンの口から一定のスピードで機械へ供給できる仕組みになっている。もっぱら工場なんかで使われる。 グリスというのはいわゆる脂であり、あらゆる機械の稼働に…

ミリオンカラー・エディション

友人はその名の通り、緑色が好きだった。小さな庭にはよく手入れされた芝生が青々と敷き詰められていて、身につけるものは靴下から時計まで、黄緑やエメラルドグリーンといった様々なカラーバリエーションのものを選び、冬はきまってビンテージの煤けたモッ…

盗んだバイクに軽油を入れる

今日を入れてあと4日で、20回目の誕生日を迎える。あらゆる制限が解除されて社会からは大人と認められると同時に、輝かしい10代の日はもう永遠に来なくなる。成人の方が生活のあらゆる面ではるかに便利なのだろうけど、切なさの方が今は大きい。 もう永遠に…

つれづれ

夜ふかしという言葉がある。いつまでも寝ないで遅くまで起きることだ。でも夜に一睡もしないで働くことは夜ふかしに入るとは言いづらいかもしれない。夜ふかしすることを仕事という理由が正当化してしまうからだ。 じゃあ夜勤明けにいつまでも起きているのは…

大人は大変

今月は自分の誕生月なので、会社の健康診断のようなものを受けた。運動能力に焦点を当てたもので、結果にペナルティがあるわけではないけど、意地になってしまうのが男の子のサガで、あやうく四肢が爆散しかけた。 全てのテストを終えると係りのお姉さんに「…

玄米4合と味噌とチップスター信州わさび味

初めて詩集を買った。本屋で文庫棚の横を通り過ぎようとしたとき、谷川俊太郎の自選集が目に入ったのでつい買ってしまった。作者のエッセイを1冊だけ読んだことがあり、いつか詩も読んでみたいと思っていたが、忘れかけていたころに見つけたので衝動買いに近…

坂の上には学校がある

目覚まし時計をセットするときに日付が目に入った。8月31日。一般的に夏休み最後の1日とされる日だ。おれが通っていた高校では夏休みは8月の25日くらいまでで、夏休み最後の日という情緒は多少薄れてしまっているけど、それでもこの日は夏休み最終日だという…

オールナイト・ドリップ

ここ数日はテレビを点けずに生活している。代わりにラジオを四六時中つけっぱなしにしてBGMのように使っている。 テレビを観なくても、ニュースはラジオでもやっているし旬の話題もパーソナリティーが取り上げてくれる。さほど不自由なく台風の情報もオリン…

がんばれバナメイエビ

平日の昼にスーパーに行くと、入り口で試食を勧められた。ぶどうの試食だった。ぶどうは好きだけど、足を止めて売り文句を聞いていると、時間を割いてもらっているし買わないことには申し訳が立たない気持ちに駆られてしまうので遠慮した。 冷房の効きすぎる…

アクセラアテンザあいうえお

車に疎い。どれくらい疎いかというと、友達の助力を得てなお、アクアとプリウスの判別できるようになるまで一年かかったほどだ。今はちょっと怪しい。 だいたい似たような車が多すぎる気がする。エブリイとハイジェットはバンで統一していいだろう。軽トラも…

ゴールのGはグレイヴのG

初めてひとりで墓参りに行った。実家から15分ほど歩くとうちの墓がある。雑草を取り、枯れた花を捨てて新しい花を入れてやる。墓石の上から水をかけて線香を焚き、両手を合わせる。自分がいずれこうなるという、終着点が目の前にあるわけだけど、先のことす…

ごまたまごの中毒性とあの日見たプロレス

貯めに貯めた書類を提出し、上司の嫌そうな顔から逃げるようにして東京旅行に行ってきた。罪悪感などごまたまごの前では無力なのだ。ごまたまご美味しい。完全食。2日ほどごまたまごしか食ってなかった。 加えて思春期特有の行動力を兼ね備えた今のおれは無…

ゆきゆきて港区

せっかくコミケに行ったので新幹線のなかでコミケのことを書こうと思ったけれど、疲れと眠気で頭が回らないし何が言いたいのか自分でもよくわからないので、ホテル周辺を散歩した時の無作為なメモの内容を貼ることにする。tokyoは不思議な街ですね。住みたく…

涙の焼肉

高校野球が盛り上がっているらしい。野球に興味がなくともそのくらいは伝わってくる。地元の県の優勝校なんて今調べて初めて知った。県の野球連盟に58校が加盟しているので、優勝校以外の57校が涙を呑んだことになる。最低でも9人×57校の513名が夏の過ごし方…

防波堤の案山子

Q.日記と手記を履き違えていませんか A.そんな事より公園にカイリュー出たってよ! 海に行った。炎天下の砂浜は尋常じゃないくらい暑く、足の裏がくっつきそうになる。めちゃ痛い。なのでずっと平泳ぎしていた。おかけで背中が日に焼けてヒリヒリする。海で…

思春期の椅子

社会人になって2度目の夏になる。ぎこちなさもとうに抜け、去年の今頃はといった感慨も特にない。より充実した生活を送るべく、これまでにいくつもの習慣が生まれては消えていった。揉み合い圧し合い擦り合せて残ったのは、使いどころのない瓶詰めのチリソー…

外の人

おれの見る夢にはデパートがよく出てくる気がする。今日見た夢にも出てきた。小さい頃祖母によくデパートに連れて行ってもらったものだ。たぶんそれに起因している。祖母も出てきたし。 夢から醒めたあとはいつも、夢の中で会った人に会いたくなる。何だか急…

10分間の菩薩

日記を書くといった翌日に寝落ちしてさっそく書き損ねた。しょうがないじゃない。夜勤だもの夜勤は疲れる。どれくらい疲れるかというと、今これを書いている時ももう夜という字がゲシュタルト崩壊を起こしているほどだ。そのまま遊びに行こうものなら、行き…

ていうかもう寝よう

久しぶりに自分の為だけに文章を考えてみる。会社の報告書や日誌とは違う、何の損得もない文章だ。自分の為だけの文章は、誰の顔色も気にしなくて良いはずなのに、浮かんだことを片っ端から書いていけばいいはずなのに報告書や日誌よりスラスラとはいけない…